5月10日~12日の3日間に渡って、熊本市内で熊本地震支援に当たられている3団体の皆さんを中越にお招きしました。
今回お越しいただいたのは、チーム中越が熊本で行っていた避難所での支援活動を引き継いでくださったNPO法人小町ウイングの皆さん、そして、熊本市の支援活動を行う中でいろいろと交流のあったNPO法人ソナエトコとNPO法人くまもと災害ボランティア団体ネットワークの計3団体、6名の皆さんです。
東日本大震災後に、福島から避難されてきた皆さんをどのように支援してきたのかを地域サポートセンター柏崎の渡辺さん、そして、共に育ち合い(愛)サロンむげんの増田さんからお話を聞きました。
熊本でもみなし仮設で生活されている方が非常に多いため、市と連携した見守りの方法や想いなど、いろいろと共感されることが多くあったようです。
2日目の午前中は、えんま通り商店街の石川さんより、中越沖地震以後の商店街の復興の様子についてお話しをいただいた後に、実際にまちを歩き、震災後のまちの復興の様子を見ていただきました。
後半は、NPO法人柏崎まちづくりあいさの水戸部さんから、大学生の時に柏崎の震災復興支援にかかわるようになってからこれまでの地震の歩みなども交えながら、柏崎におけるまちづくりの取組みや中間支援のあり方などについてお話をいただきました。
午後からは、場所を柏崎から川口にある「きずな館」に移して、NPO法人くらしサポート川口の中林さんから川口の復興やNPOの活動について説明を受けた他、(公社)中越防災安全推進機構ムラビト・デザインセンターの阿部さんからは、自身がどのようにして支援の世界にかかわり、川口に移住するまでに至ったのか、また、地域外の若者をどのように中山間地に呼び込もうとしているかなどについてお話しいただきました。
熊本の皆さんも、支援活動を続けるにあたって、どのように人材を確保するかは大きな悩みだったようですが、水戸部さんや阿部さんの話を聞いて、少しヒントが得られたようでした。
最終日の午前中は、山古志の視察です。木籠の郷見庵でお茶やお惣菜をいただきながら、松井さんから郷見庵のことについてお話を伺いました。
「おらたる」では、館内の展示案内をしてもらった後に、ガイドをしてくれた関さんから子どもの時に震災に遭ってどのようなことを感じたのか、また、ガイドになった経緯などについてお話をいただきました。
中越地震が起こってからほぼ13年間に渡って支援活動を続けられている地域復興支援員の佐野さんからは、震災後どのように地域の皆さんと接してきたのか、何を大切にされてきたのかをフェーズ毎に説明いただきました。山古志と熊本市では立地条件も文化もかなり異なるのですが、それでも支援の仕方や行政や社協との連携のあり方など、参考になるところは沢山あったようです。
この日のお昼は震災後に山古志に出来た農家レストラン多菜田。地域の山菜などをふんだんに使った料理をいただいた後に、代表の五十嵐さんからお店を立ち上げるまでの経緯などについてのお話をいただきました。
震災を乗り越えて元気に活躍している「山のかあちゃん」のお話を聞くと、私たちも元気をもらうことが出来ます。
そして、最後は「きおくみらい」にて、チーム中越のメンバーと意見交換。チーム中越がどのようにして出来たのか、その成り立ちと現在の活動を紹介させてもらった上で、熊本の皆さんから3日間の感想や質問などをいただき、意見交換を行いました。
熊本と長岡では、歴史文化も異なるので、なかなか長岡の経験がそのまま熊本に生かせるということは少ないかもしれませんが、少しでも私たちのこれまでの経験が役に立てば嬉しいことです。
今回、中越に熊本の皆さんに来てもらった目的は、中越地震や中越沖地震の被災地がどのように復興してきたかを実際に見聞きし、支援団体間で共有してもらうことで、少しでも熊本の支援のお役に立てばということ。そして、一時でも、熊本を離れることで、支援団体の皆さんにも少し息抜きをしてもらえればということでした。
と言いつつも、結構盛りだくさん視察だったのですが。。
熊本の復興はまだまだこれからだと思います。
距離の関係もあり、なかなか頻繁に行き来することは難しいですが、出来る限り熊本の皆さんに寄り添いながら、支援団体の皆さんを中越から支えていければと思います。
最後になりますが、今回熊本の皆さんを中越にお招きすることが出来たのも、長岡市内外のとても多くの皆さんからチーム中越に対して熊本地震復興支援金募金の協力をいただいたからにほかなりません。
チーム中越の活動に賛同し、募金の協力をいただいた皆様に心より感謝申し上げます。
本当にありがとうございました。
なお、いただいた熊本地震復興支援金募金につきましては、今回の視察経費を差し引いた残額を熊本の支援団体の皆様に寄付させていただく予定です。募金の使途等につきましては、改めて皆様にご報告させていただきます。