地元スーパーとの協働による支援物資の収集

東日本大震災では、長岡から被災地に物資を送るために、多くの支援物資を集める必要がありました。

支援物資の収集については、マスコミなどを通じて市民に協力を呼び掛けた他、長岡青年会議所でも県内の青年会議所に呼びかけるなどして、物資の収集に努めましたが、ピーク時には、毎日朝晩10トン車や4トン車を被災地に送るような状況であったため、いくら支援物資があっても足りない状況でした。

そんな時に支援物資の収集に協力して下さったのが、地元スーパーの原信さんでした。
原信さんでは、スーパーの店頭に支援物資の回収BOXを設置下さり、お客様からの支援物資を収集いただきました。
また、被災地からの情報に基づいて、店頭の掲示やHPの必要な支援物資をアップデートすることで、支援に必要な物資のみを集めていただけました。

原信さんによる支援物資収集の流れは以下の通りです。


原信各店への支援物資回収BOXと現在必要とされている支援品リストの設置

お客様が店内で購入した支援物資を回収BOXへ

各店舗で集めた支援物資を物流センターにとりまとめ

物流センターからボランティアバックアップセンターへ配送

ボランティアバックアップセンターで仕分け後、被災地へ発送


この仕組みが出来たことにより、毎日、原信さんからトラック一杯の支援物資をボランティアバックアップセンターに送り届けていただくことができ、被災地へ送る支援物資の確保につながりました。

また、スーパーの店舗に回収BOXを設置いただいたことで、お客さんが缶詰一つからでも支援が出来るようになり、結果的に多くの皆さんからの善意を集めることが出来たと感じています。

地元企業の協力が、さらに多くの市民の皆さんの支援へとつながりました。

物資支援における青年会議所との協働

東日本大震災では長岡から毎日のようにトラックを走らせ、東日本に物資を送ることが出来ましたが、これを可能にしたのは長岡青年会議所との協働です。

当時、東日本支援のための東日本大震災ボランティアバックアップセンターを開設しており、支援物資の募集は東日本大震災ボランティアバックアップセンターからメディアやインターネットを通じて発信して行っていましたが、支援物資の収集には限界がありました。

その際、長岡青年会議所から、長岡のメンバーの他、近隣の青年会議所へも支援物資の募集を働きかけてくれたことから、大量の支援物資の確保につなげることが出来ました。
青年会議所と言う、普段からまちづくりをおこなっている企業の経営者を中心とした集まりだからこそ出来た支援だと思います。

また、トラックの手配などに関しても、全て青年会議所で担ってくれたため、大きな混乱もなく、トータルで約270トンもの支援物資を被災地に送り届けることが出来ました。

トラック

東日本大震災での物資支援のポイント

東日本大震災では、長岡から多くの支援物資を被災地へ送り届けました。
中越地震の際には全国から送られてきた大量の支援物資の処理で混乱した経験などを踏まえて、東日本大震災の際には以下のようなポイントに留意して物資支援を行いました。

  • 中間物資拠点としてのながおか市民防災センター
    仕分けされていない支援物資を被災地にそのまま届けることは、いたずらに被災地の混乱を引き起こすことになりかねないため、長岡市所有のながおか市民防災センターを物資の集積拠点として、物資を集め、そこで仕分けした物資を被災地に送りました。長岡の多くのボランティアさんの協力があったからこそ出来た支援活動です。
  • 支援物資の送付は出来るだけ相手のニーズを確認してから
    ニーズに合わない支援物資は役に立たないばかりか、本来不必要な保管スペースの確保が必要になるなど、被災地にとって二次災害を引き起こしかねません。そこで現地のNPOと連携を取り、常に相手のニーズに必要な支援物資を供給することを心がけました。支援物資のニーズは日々変わるので災害時に支援物資を送る際には注意が必要です。
  • 支援物資の呼びかけ
    長岡では個人からの支援物資の募集も呼びかけましたが、一つの箱に複数の種類のものが入ってしまうと被災地での分配時に困ることから、一つの箱には必ず一品目のみ入れて届けてもらうように呼びかけました。それでも中には混載されているものもありましたが、送る前にボランティアさんに中身を確認してもらい、必ず仕分けを行ってから支援物資の発送を行いました。

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東日本大震災ボランティアバックアップセンターHPの立ち上げ

東日本大震災発生後、長岡では東日本の被災地を支援する東日本ボランティアバックアップセンターと長岡への避難者への支援を行う長岡災害支援ボランティアセンターを開設しましたが、支援者ならびに被災者へ向けての情報発信体制の整備が急務でした。

そこで、協働型災害ボランティアセンターの一員であるNPO法人住民安全ネットワークジャパンが中心となり、外部Webクリエーターの協力も得て、極めて短期間の間にホームページの立ち上げをすることが出来ました。

短期間でのHPの立ち上げは、専門性を有する協働団体の協力があってからこそ出来た活動であったと言えます。

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関連URL; http://jmjp.jp/ht/3-11%E6%83%85%E5%A0%B1%E6%94%AF%E6%8F%B4

災害ボランティアセンターへの事務機器等の設置協力

ながおか市民防災センターに東日本大震災ボランティアバックアップセンター/長岡災害支援ボランティアセンターを設置するに当たって、当初は充分な事務機器やネットワークの環境が整っておらず、事務所としての機能は充分ではありませんでした。

しかし、青年会議所のメンバーの協力を得て印刷機やPCのネットワーク環境を整えて頂けたおかげで、いち早く事務所の機能を整備することが出来ました。

支援を行う側と支援を受ける側(この場合は企業と災害ボラセン)のマッチングが上手く出来たケースと言えます。
日頃からの関係性の中で、互いの特徴や出来ることについて理解が出来ていれば出来ているほど、災害時の連携もスムーズになるものだと考えられます。

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