東日本大震災の時の避難者受け入れの経験を検証し、その経験を今後発生が予想される首都直下地震や南海トラフ地震に活かすべく、検討を行います。
第3回広域災害対応検討会では、避難者の受入れや避難所対応に当たった、長岡市、長岡市社協、中越市民防災安全士会、中越防災安全推進機構のメンバーから話を伺った他、現在、新潟県で進めている避難者受け入れ体制の整備状況についても報告頂きました。
以下、検討会での議論の要旨です。
上手く行った点
ボランティアによる支援
- 事前登録制
- 行政の手の届かない個別ニーズへの支援
- 避難所から病院までの通院の送迎、足腰の弱い方々への介添え支援
- 子育て世代の方々が避難されたロングライフセンターはになニーナの皆さんが支援
- 地区社協やボランティアなどによる炊き出し支援(地域ごとでの食事ボランティアのローテーション、福祉系主事による連携も)
- 足湯ボランティア→具体的な解決につなげられなくても被災者の心のケアに
- 長岡ならではの被災経験に基づいた勇気づけ
- 企業による支援
- 物資の仕分けボランティア活動
- 夜間の見回りボランティア
- 家庭教師
- 本部運営のための事務局ボランティア
避難所運営
- 避難者による避難所運営(班分けとリーダー)
課題・可能性
支援側
- ボランティアと行政職員間(+避難者)の意思疎通・調整→調整役・相談役の不在(東日本大震災では安全士会の畔上さんを中心に実施。)
- ボランティアの方がベテランになってしまうことで、行政職員がイニシアチブを取れない。
- 東日本の時は行政と被災者とで毎日情報交換会を実施
- ボランティアのストレス→本部スタッフが避難所を知らない、現場でのコーディネートまで出来ていない。
- 行政とボランティアとの役割分担
- 行政とボラセンとの意思疎通(例;避難所への避難者の入れ方など、民間が支援が出来る支援をするための情報共有)
- 一部被災者からのボランティアに対する心ない言葉(長期化に伴い)
- ボランティアによる特定の被災者に対する支援に対する僻み
- ボランティアの資質(ドタキャンなど)
- ボランティアとしての活動の正解(何が正しいのか?)
- 過剰なボランティア(被災者の自立を阻害する可能性)
- 被災者の自主性、自由度、選択の余地を残すような支援
- 男性が外に出て頑張れるような支援(子ども、女性、高齢者向け)
- コミセンなどのサークルの活用(市民が出来る支援)
- 避難所の運営体制・組織体制が混乱(行政職員の避難所運営の経験が伝えられていない(世代交代)?)
- 行政職員のオーバーワーク(不眠不休)
- 行政職員間での引継ぎ;ノートで対応したが、引き継ぎきれない部分も
被災者
- 避難者の生きる意欲・気力の低下
- 避難者間の確執
その他
- コミセンにおける避難所開設の不安(何をしたらよいかわからない)
- 後方支援窓口(現地では対応しきれないことを後方で対応できるように)
行政、ボラセン、ボランティア、それぞれがやれることを!
次回の検討会では、以上の内容を踏まえて、今後、長岡で行うべき避難者受け入れの体制や対応について考えます。