第4回広域災害支援検討会を開催しました

今年度最後となる第4回広域災害対応検討会では、第3回で議論された避難者受け入れの課題や可能性についてふり返りを行った後、これからやっておくべきことを中心に議論がなされました。

その中で、行政だからこそ出来る支援はなんなのか、民間だからこそ出来る支援は何なのかを明確にし、互いの特徴を活かした支援体制を作っていくことが必要ではないか、また、過去の経験をしっかりと継承し、体制整備を行うと共に、人材育成を図っていくことが大切であるという結論に至りました。

次年度以降は、今回の議論を基に、現在行政にて見直しが行われている避難所マニュアルをベースとして、ボランティアによる避難所支援や地域の視点から、官民協働の避難所運営について検討を行う予定です。

以下、検討会の要旨です。

◆行政だからこそできる支援
・継続性
・安定性
・長岡市の避難所運営マニュアル H26年度内に暫定版を作成
・立場でつながる
・参集職員が150名以上いる
・年度初めに避難所の参集職員に対する説明会がある
・指定避難所と非指定避難所の違い
(どちらでも物資や食事は入れるでも市の担当はいない)

◆民間だからこそできる支援
・即効性
・個別性
・民間団体の特色によって活動できる
(フレームワークは行政で構築する)
・専門性に長けている
・ボランティアセンターがHUBになって、民間団体
・顔でつながる
・避難準備情報の事典でどのように動くべきか協議すべき
・本来であれば地域での動きも検証しなくてはならない
・行政へのコーディネート支援を行う必要がある
・ALL長岡の避難所 300以上

◆コーディネーターの職責を明確にする
・地域制
・人材育成

◆経験の伝承→実体験を追体験→長岡市の職員研修で行う
★よかったこと、悪かったこと、何を判断基準にしたかを伝承することが重要
★事例、エピソード、判断基準

◆避難所運営マニュアルの本来の目的は来る市民に対して
「各自が準備を万全で避難する重要性」を伝播する

◆中越大震災では19万人中、5万人が避難した

◆避難する立場から考えれば地域内の集会所などにいったん集まってもらったほうがいい

◆マニュアルを検証しながら
「行政」
「民間」
「地域」
がやるべきことを洗い出す必要がある

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第3回広域災害支援対応検討会を開催しました

東日本大震災の時の避難者受け入れの経験を検証し、その経験を今後発生が予想される首都直下地震や南海トラフ地震に活かすべく、検討を行います。
第3回広域災害対応検討会では、避難者の受入れや避難所対応に当たった、長岡市、長岡市社協、中越市民防災安全士会、中越防災安全推進機構のメンバーから話を伺った他、現在、新潟県で進めている避難者受け入れ体制の整備状況についても報告頂きました。
以下、検討会での議論の要旨です。

上手く行った点
ボランティアによる支援

  • 事前登録制
  • 行政の手の届かない個別ニーズへの支援
    • 避難所から病院までの通院の送迎、足腰の弱い方々への介添え支援
    • 子育て世代の方々が避難されたロングライフセンターはになニーナの皆さんが支援
    • 地区社協やボランティアなどによる炊き出し支援(地域ごとでの食事ボランティアのローテーション、福祉系主事による連携も)
    • 足湯ボランティア→具体的な解決につなげられなくても被災者の心のケアに
  • 長岡ならではの被災経験に基づいた勇気づけ
  • 企業による支援
    • 物資の仕分けボランティア活動
    • 夜間の見回りボランティア
    • 家庭教師
  • 本部運営のための事務局ボランティア

避難所運営

  • 避難者による避難所運営(班分けとリーダー)

課題・可能性
支援側

  • ボランティアと行政職員間(+避難者)の意思疎通・調整→調整役・相談役の不在(東日本大震災では安全士会の畔上さんを中心に実施。)
    • ボランティアの方がベテランになってしまうことで、行政職員がイニシアチブを取れない。
    • 東日本の時は行政と被災者とで毎日情報交換会を実施
    • ボランティアのストレス→本部スタッフが避難所を知らない、現場でのコーディネートまで出来ていない。
  • 行政とボランティアとの役割分担
  • 行政とボラセンとの意思疎通(例;避難所への避難者の入れ方など、民間が支援が出来る支援をするための情報共有)
  • 一部被災者からのボランティアに対する心ない言葉(長期化に伴い)
  • ボランティアによる特定の被災者に対する支援に対する僻み
  • ボランティアの資質(ドタキャンなど)
  • ボランティアとしての活動の正解(何が正しいのか?)
  • 過剰なボランティア(被災者の自立を阻害する可能性)
  • 被災者の自主性、自由度、選択の余地を残すような支援
  • 男性が外に出て頑張れるような支援(子ども、女性、高齢者向け)
  • コミセンなどのサークルの活用(市民が出来る支援)
  • 避難所の運営体制・組織体制が混乱(行政職員の避難所運営の経験が伝えられていない(世代交代)?)
  • 行政職員のオーバーワーク(不眠不休)
  • 行政職員間での引継ぎ;ノートで対応したが、引き継ぎきれない部分も

被災者

  • 避難者の生きる意欲・気力の低下
  • 避難者間の確執

その他

  • コミセンにおける避難所開設の不安(何をしたらよいかわからない)
  • 後方支援窓口(現地では対応しきれないことを後方で対応できるように)

行政、ボラセン、ボランティア、それぞれがやれることを!

次回の検討会では、以上の内容を踏まえて、今後、長岡で行うべき避難者受け入れの体制や対応について考えます。

第2回広域災害対応検討会を開催しました

第2回広域災害対応検討会では、南陽市や広島での災害を受けての中越としての災害対応のあり方や、第1回検討会を受けての広域災害発生時の支援体制について議論を行いました。

以下議論の要旨です。

災害対応について

  • 地理的な位置によって支援レベルを事前に設定しておくと良い。例えば隣県は支援レベルAといった具合に。
  • 要請がなくても自主的に支援をするとしたら支援レベルAの隣県地域が現実的。その他の地域は募金や物資支援などが中心となる。
  • 遠方でも要請によってはリーダー格が入ってシステム構築を支える支援は可能である。そこで出た課題などを持ち帰ってくることは次なる災害に備えて中越においても知見の蓄積が出来ることになる。
  • 以上のような内容の災害時の支援活動ガイドラインを作っておき、それに基づき動いた方が良い。
  • 募金活動などは学生等若い人たちをもっと巻き込んで行う必要がある。若者や子どもと思いを共有し、募金やリサイクル事業などを行っていくことは、彼らの社会参加や人材育成にもつながる。

広域支援について

  • 支援を行うに際して一番最初に誰にコンタクトを取るかが大事。2番目以降はそこからどのようにつなげていくかというシステムを考えた方が良い。
  • まずは既存のネットワークを活かす。既存の人たちに広域災害支援の意識付けをしていく必要がある。
  • 各地でハブになれるような民間の人達と繋がれるとよい。民間であればレアなニーズのある人達に特別な支援を提供することも出来る。
  • いざという時に枠から外れて動いてくれる人は現実的には少ないが、いざという時に備えて意識共有をしておくことは大切。
  • 今長岡でやっていることを全国に向けて発信しつつ、視察を受け入れて長岡の存在を知ってもらうことが一番のネットワーク構築になる。

第1回広域災害支援対応検討会を開催しました。

東日本大震災の経験を次の広域災害時の対応に活かすために「広域災害対応検討会」を開催しました。
長岡市社協、国際ロータリー、市内NPO団体など、災害時に長岡で協働・連携して災害支援活動を行う団体の皆さん方々にお集まり頂き、広域災害時の物資支援を中心に議論を行いました。

東日本大震災の際には300トン近くの支援物資を被災地に送り届けているのですが、その半分近くが宮城県内に送り届けられています。
その理由は宮城県においてはGAMBARO↑MIYAGI宮城復興支援センターがいち早く長岡からの支援物資の現地受け入れ拠点となって下さり、現地への物資配布ならびに現地ニーズ収集の拠点として機能したからに他なりません。

このような経験から発災前から支援の受け皿となる団体と手を組んでおくことの重要性が確認されました。
また、ただ単にネットワークを組んでおくだけでなく、そういった団体と災害時の体制や、被災時に起こり得る出来事、支援のノウハウ等について情報交換を行っていくことが、災害時のスムーズな支援につながることも確認されました。

災害ボランティアの登録の必要性などについても話し合われましたが、災害のためのボランティアの登録と言うよりも平時に活動している様々なボランティアの皆さんがいることから、そういったボランティアの皆さんが災害時にどういった役割を果たせるかを考える方が大事ではないかといった議論もなされました。

次回は、今回の議論をベースに実質的な動きへとつなげるためのワークショップなどを交えながら議論を実施する予定です。